葛西説教20231112①
1.テキスト「マタイ16:13~20」
2.タイトル「信仰の告白」
3.中心聖句「マタイ16:16」
「あなたは、生ける神の御子キリストです。」
4.本文「信仰の告白」
序)「イエスはメシヤ、キリストです」
今年は2023年12月3日がクリスマスのためのアドベントの第一日となります。私たちはクリスマスをお祝いします。それはなぜでしょうか。それは私たちがイエスを恵みの方、愛の方と知り、また信じているからですよね。
しかし、それにはまず、イエスという方を知る必要があります。聖書に記された主イエスの宣教には嵐を静め、悪霊を追い出し、病をいやし、死人を生き返らせるといった力あるわざがともなっていました。それらはイエスがメシヤ、キリストであることの証拠です(11:3~6)。イエスがメシヤ、キリストであるからこそ、私たちはイエスを信じ、そしてイエスの恵みと愛にあふれた日々を生きることができるのです。
では本日もイエスという方がどういう方かを聖書から学びましょう。
本論「信仰の告白」
Ⅰ「主は信仰の告白を求めておられる」
「ピリポ・カイザリヤの地方」は、ヘルモン山ろくの南にある岩の多い台地です。ガリラヤ湖岸北から40キロほど北に位置し、ヨルダン川の水源地の一つです。ヘロデ大王の息子であるピリポがこの町に手を入れ、ピリポ・カイザリヤと名を改めました。この町にはギリシア神殿のパンを礼拝する所や皇帝を礼拝する神殿がありました。この偶像礼拝の盛んな所で、イエスは弟子たちに「人々は人の子をだれと言っているか」と尋ねられたのです。「人の子」という表現には来るべきメシヤという意味が含まれています(ダニエル7:13)。
「私がまた、夜の幻を見ていると、見よ、人の子のような方が天の雲に乗って来られ、年を経た方のもとに進み、その前に導かれた」とあるからです。
「彼らは言った。『ある人々はバプテスマのヨハネだと言っています。しかし、他の人たちは、エリヤだと言い、また、エレミヤあるいは預言者のひとりだ、と言っている者もあります。』」と。ガリラヤの領主ヘロデ・アンテパスはイエスを『バプテスマのヨハネ』のよみがえりではないかと恐れました(14:1~2)。『エリヤ』は紀元前9世紀後半に北王国イスラエルで活動した預言者であり、『エレミヤ』は南王国ユダの末期からバビロン捕囚時代にかけて活躍した預言者ですが、両者ともメシヤの先駆けとして再来すると人々は信じていたのです(マラキ4:5)。「見よ。わたしは、主の大いなる恐ろしい日が来る前に、預言者エリヤをあなたがたに遣わす」このことばを信じていたのです。
「そこでイエスは彼らに言われた、『それでは、あなたがたはわたしをだれと言うか』。シモン・ペテロが答えて言った、『あなたこそ、生ける神の子キリストです』」。この答えこそ正しいのです。イエスは命無き偶像と違って「生ける」方であり、天から降って来られた「神の子キリスト」です。
Ⅱ.「信仰告白は教会の土台です」
この答えを聞いて、「イエスは彼に向かって言われた、『バルヨナ・シモン、あなたはさいわいです。あなたにこの事をあらわしたのは、血肉ではなく、天にいますわたしの父です』」と。漁師のヨハネの子シモンは「無学な、ただの人」(使徒の働き4:13)でしたが、神が啓示によって彼に真理を悟らせなさったのです(Ⅰコリント12:3)。「また、聖霊によるのでなければ、だれも、『イエスは主です』と言うことはできません」とあります。
イエスは言われた、「そこで、わたしもあなたに言う。あなたはペテロです。そして、わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てよう。黄泉の力もそれに打ち勝つことはない」。「ペテロ」と「岩」(ペトラ)はかけことばです。ペテロは12使徒の代表として信仰を告白しました。教会の土台は使徒伝来の正統的信仰告白です(エペソ2:20)。
「あなたがたは使徒と預言者という土台の上に建てられており、キリスト・イエスご自身がその礎石です」と言われている通りです。
Ⅲ.「その土台の上に主が教会を建てあげられる」
イエスは明確な目的意識と目標をもって伝道を進め、弟子たちを訓練されました。その目的・目標とは「主の教会」を建て上げることです。「教会」の原語は「エクレシア」70人訳聖書でヘブル語聖書の「カーハール」(イスラエルの人々の集まり)の訳語です。つまり、選民イスラエルに代わる新しい神の民の集団をイエスは形成しようとされたのです(ガリラヤ(6:15.16)。「大事なのは新しい創造です。どうか、この基準に従って進む人々、すなわち神のイスラエルの上に、平安とあわれみがありますように」と言われています。教会は主イエスのものであり、イエスご自身が今も教会を建て上げておられます。
イエスはペテロに「天国のかぎ」を授けられました。彼はそのカギを用いて宣教の扉を開きました(使徒の働き2:41)。「そこで、彼のことばを受け入れた者は、バプテスマを受けた。その日、三千人ほどが弟子に加えられた」と。ただ、このカギは教会に授けられたもので、ペテロ個人のものではありません(18:18)。「あなたがたに告げます。何でもあなたがたが地上でつなぐなら、それは天においてもつながれており、あなたがたが地上で解くなら、それは天においても解かれているのです」と。主は「あなたがたが地上でつなぐことは、天でもつながれ、あなたがたが地上において解くことは天でも解かれるであろう」と言われました。教会は地上において天国を代表する公的機関です。その機能は大きく、死んで復活されたイエスは黄泉を征服されました(コロサイ2:15)。「神は、キリストにおいて、すべての支配と権威の武装を解除してさらしものとし、彼らを捕虜として凱旋の行列に加えられました」と。神はキリストの十字架において、このように人々を縛っていた悪の力や諸霊力の武装を解いて、彼らに対する勝利を宣言されました。教会は「天国のカギ」を用いて、悪魔の砦である黄泉の「力」(直訳「門」)から人々を解き放ち、神の国に移し入れられなければならないのです。ですから伝道は霊的救出の戦いなのです。
まとめ)「信仰の告白」
本日の聖書箇所を皆様はお読みになっていかが思われたでしょうか。イエスが皆様に「わたしは誰でしょう?」とお聞きされたら何と答えますか。どんな病気も治す方ですか?神のことをたくさん知っている方ですか?ペテロは「あなたこそ、生ける神の子、キリストです」と答えました。イエスはただの素晴らしい人ではなく、神なのです。教会は「イエスは今も生きておられる神です」と信じる人たちの集まる所です。私たちも「あなたこそ、生ける神の子、キリストです」とイエスのことを互いに、そして私たちの周りに告白しましょう。それがイエスの恵みとイエスの愛に生きるクリスチャンに求められていることですから。
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