葛西説教20230924①
1.テキスト「創世記2章15~25節」
3.中心聖句「創世記1章28節」
「生めよ。ふえよ。地を満たせ。地を従えよ。海の魚、空の鳥、地をはうすべての生き物を支配せよ。」
4.本文「神が人に求めた支配とは」
序)「はじめに」
本日のテキストはテーマ・内容ともに大変大きく、また抽象的で難解です。しかしここには神のかたちに造られた人に、神が与えた目標が語られています。目標を項目に分けると、「繁栄」「自治」「自由」「秩序」「自立」「協調」ということばになります。神学者はこの六つに到達することが、救われた人の一生涯の目標だと教えます。
しかし、創世記3章で人が堕落したことにより、神のかたちを損ない、神からの目標を達成できなくなりました。ですから道徳秩序の崩壊、家庭崩壊、労働の非人間化、虚無、環境破壊の原因は「神のかたち」の喪失にあるのです。そしてキリストの福音だけが、私たちの内に神のかたちを回復させ、神が人に求められた支配を地上に実現できるのです。
本論「神が人に求めた支配とは」
Ⅰ「聖書の要約」
本日の聖書を要約します。神は人を造られた時、「生めよ。ふえよ。地を満たせ」と言われました。つまり人が繁栄することは神の願いです。しかし、そのためには、地上のすべてのものをきちんと治めるようにとも言われました。このことは両立しないといけません。けれども人の繁栄と地球を治めることは、しばしば相反します。例えばニュースで「地球の環境問題を考えよう」と流れます。でも人が豊かな生活をするために石油を燃やすと二酸化炭素が発生し、地球温暖化が進みます。工業製品で豊かな生活をしようとすると、工場の廃液や煙で地球環境を壊してしまいます。その結果、人も動物も、木や草も生きてはいけないようになるのです。人だけでなく、動物や地球全体のことも考えて治めることが大切です。
それから、人は、エデンの園で神と大切な約束をしました。それは「園の中のどの木からでも取って食べてよい、しかし、善悪を知る木からは取って食べてはならない」という事でした。神は人をロボットのように造られたのではなく、自分で判断する自由を与えられました。人は自由になっていくべきなのですが、同時にルールも大切です。自由とルールを守ることはどちらも大切で、両立しなければいけないのです。しかし、自由とルールを守ることはしばしば相反します。例えば「人は自由だから、車を自由に運転する」と言って赤信号で交差点に飛び込んで行けば、交通事故になります。自由とルールを守ることを両立させることも大切なのです。
また、神は人間を男と女に造られました。「人が、ひとりでいるのは良くない」、「彼のために、彼にふさわしい助け手を造ろう」と神は言われました。また、「父母を離れ」、「ふたりは一体となる」と。ふさわしい助け手は、他の動物ではだめでした。霊をもった人間でなければなりませんでした。ここで大切なことは人が自立することです。「自分のことは自分でしよう」とは学校で教えられたことですね。それと同時に、他の人と仲良く一つになって何かをすることも大切です。この自立することと社会との関係も中々両立しませんね。しかし、神が人に求めておられることは、霊をもった他の人との関係、そして自分のことは自分でするという自立の両方が大切なのです。
Ⅱ.「本日の聖書のポイント」
本日のポイントは何でしょうか。それはキリストの福音を信じて、神のかたちを回復することです。そうするなら霊的に成長し、またはきよめられ神に似ていくのです。それは聖化の歩みとも言えます。そして神から与えられた目標、豊かになることと地を治めること(繁栄と自治)、自由になることとルールを守ること(自由と秩序)、また自立することと一致すること(自立と協調)を目指すのです。これが私たちの地上での歩み、信仰生活です。
Ⅲ.「私たちの生活への導き」
では、この本日の聖書は、私たちの生活をどのように導くのでしょうか。例えば、教会で自分の奉仕が、役割ができたらそれだけで良いと思っていませんか。教会は神の家族です。お互いに欠けがあっても、互いに補い合いましょう。これは家庭でも夫の役割、妻の役割などがあるでしょうが、家族が互いに補い合いましょう。
また、仕事も勉強も一生懸命に行いましょう。それで神からの目標、繁栄に近づきます。
すなわち、私たちの生活に繁栄、自治、自由、秩序、自立、協調という神からの目標を適用しようではないでしょうか。
結論)「神が人に求めた支配とは」
神が人に求めた支配とは、地球上で暴君になることではありません。それはキリストの福音を信じて神のかたちを取り戻すことから始まります。そして神が人に求められた支配を実現するため、私たちの生活に繁栄、自治、自由、秩序、自立、協調を適用しましょう
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