葛西説教20240616

1.テキスト「ヨハネ16:12～15」

2.タイトル「真理の御霊」

3.中心聖句「御霊はわたしの栄光を現します。」

4.本文「真理の御霊」

　序)はじめに

　主なるイエスは、聖霊が降られる時を切実に待っておられました。イエスは弟子たちにも、聖霊降臨を待つようにとお命じになられました。彼らは祈り続け、待ち続けました。聖霊がいかに重要であるのか、その働きについて聖書から教えられましょう。

本論)「真理の御霊」

Ⅰ.「聖霊は神を示されます」

　聖霊は三位一体の第三位であられます。人格を持つお方です。(創世記1:2) 「神の霊が水の上を動いていた」とも呼ばれるお方です。聖霊は天地創造の初めから働いておられます。旧約時代にも特定の人たちに奉仕の力を与えておられます(出エジプト31:3、他)。そして紀元30年のペンテコステ以来、聖霊はそれまでとは明らかに異なる圧倒的な力と広がりをもって地上での働きを開始されました。

　イエスは宣教の日々において弟子たちに、新約時代における聖霊の働きについて、たびたび教えておられました。イエスは彼らを宣教者として整えるために、多くの教育訓練を与えておられましたが、いつももどかしさを感じておられたようです。(ヨハネ16:12-13) 「わたしには、あなたがたに話すことがまだたくさんありますが、今あなたがたはそれに耐える力がありません。しかし、その方、すなわち真理の御霊が来ると、あなたがたをすべての真理に導き入れます。御霊は自分から語るのではなく、聞くままを話し、また、やがて起ころうとしていることをあなたがたに示すからです」と、イエスは言っておられます。

　聖霊が第一に示される真理は人間の罪です。(ヨハネ16:8)「その方が来ると、罪について、義について、さばきについて、世にその誤りを認めさせます」とイエスは言われました。罪の根本は不信仰です(ヨハネ16:9)。生まれながらの人間は霊的な暗黒の中にいるのであり、自分の罪に気づかないまま(ヨハネ16:11)「この世を支配する者」であるサタンに支配されているのです。聖霊の導きによって初めて人間は自らの真の姿を悟るのです。

Ⅱ.「聖霊はキリストを証しされます」

　続いて聖霊は、罪を自覚した人に救い主キリストを証しされます。キリストが十字架の死によって人類の罪を贖われたゆえに、彼を信じる者は義と認められ、サタンの支配から解放されるのです。

　主なるイエスは(ヨハネ15:26)「わたしが父のもとから遣わす助け主、すなわち父から出る真理の御霊が来るとき、その御霊がわたしについてあかしします」と言われます。また、(ヨハネ16:14)「御霊はわたしの栄光を現します」とも言われました。私たちがイエスを主キリストと信じることができるのは、聖霊が私たちに働きかけてくださっているからなのです。(Ⅰコリント12:3)「ですから、私は、あなたがたに次のことを教えておきます。神の御霊によって語る者はだれも、『イエスはのろわれよ』と言わず、また、聖霊によるのでなければ、だれも、『イエスは主です』と言うことはできません」という通りなのです。

　聖霊は人間の理解を超えて「風」のように「思いのままに」働かれます。（ヨハネ3:8）「御霊によって生まれる者もみな、そのとおりです」と。その働きは決して無軌道ではありません。御霊は（ヨハネ16:15）「御霊がわたしのものを受けて、あなたがたに知らせると」とイエスは言われました。また、イエスは（ヨハネ14:26）「助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、また、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます」とも言われました。聖霊は、キリストに遣わされて、キリストのことばを用いて、キリストを証しするために来られたお方です。

　聖霊は、聖書記者たちに霊感を与えてその記述を守り導かれました。聖書のまことの著者です。（Ⅱテモテ3:16）「聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有益です」、（Ⅱペテロ1:21）「預言は決して人間の意志によってもたらされたのではなく、聖霊に動かされた人たちが、神からのことばを語ったのだからです」と。通常、聖霊は聖書を用いて、聖書の中心であるキリストを証しされます。（ヨハネ5:39）「聖書が、わたしについて証言している」という通りなのです。

Ⅲ.「聖霊は私たちの内に住まわれます」

　さらに、聖霊は（ヨハネ14:17）「その方はあなたがたとともに住み、あなたがたのうちにおられるからです」とイエスは言われました。「真理の御霊」は「助け主」として「いつまでも」共におられ（ヨハネ14:16-17）、神の子たちの内にあって、その身分を証ししてくださいます（ローマ8:14-17）。何と心強い味方でしょうか！

　福音の真理は文字に表されているばかりではありません。実に、真理そのものであるお方、生けるご人格そのものが私たちの内に住み、奥義を悟ることができるように親しく教えてくださっています（Ⅰコリント2:10-16）。何という恵みでしょうか！

結論）「真理の御霊」

　聖霊は今も働いておられます。聖霊はいつもあなたの内におられます。あなたを助けて福音の真理を悟らせ、あなたを全き救いに導いてくださいます。あなたは聖霊の内なる証しを持っていますか？罪を示され、イエスの十字架を示され、赦しときよめをいただいていますか？祈りの内に、みことばを通して、聖霊に導いていただきましょう。