葛西説教20240519①
1.テキスト「使徒の働き2:1~13」
2.タイトル「ペンテコステと教会」
3.中心聖句「使徒の働き2:4」
4.本文「ペンテコステと教会」
序)「ペンテコステと教会」
ペンテコステ、それは聖霊に満たされた弟子たちにより、教会がエルサレムの町に初めて誕生したことを祝う、とても大切な記念日です。この初めの教会は、今では全世界に増え広がり、地の果てまでイエスの福音が宣べ伝えられ、私たちのところまで届いたのです。何とうれしいことではないでしょうか。心からこの日を感謝したいですね。
本論)「ペンテコステと教会」
Ⅰ.「教会、それは神に召された者の集まり」
ルカは、キリスト教会が誕生する過程において、イエスの弟子たちが一緒に集まっていたことを繰り返し記し、強調しています(1:6.14~15、2:1)。皆様の聖書で「教会」と訳されていることばはギリシア語の「エクレーシア」です。これは70人訳聖書(旧約聖書のギリシア語訳)において、イスラエルの「集会」や「会衆」を意味するヘブル語「カーハール」の訳語として用いられたことばです。すなわち、キリスト教会はイスラエルに代わって選ばれた新しい神の契約の民なのです。
「教会」とは本来、建物でも法人組織でもありません。「教会」とはイエスをキリストと信じて告白する「人々の集まり」です(マタイ16:18、18:17)。聖書は、孤高を保つキリスト者というものを教えてはいません。キリスト者、イコール、教会は共に生きることに召されている存在です。(1)「みなが一つ所に集まっていた」ところに(4)「聖霊」が降臨されて、教会は誕生したのです。
教会が人の集まりである以上、問題が皆無ということはありません。しかし、問題があるからといって教会を離れ、独り静かに信仰生活を守ろうなどと考えてはいけません。私たちキリスト者は、そのキリスト者としての召しのゆえに、病気などの諸事情を除いて、決して集会を軽視してはならないのです(ヘブル10:25)。
地方の教会や開拓の教会など、人数が少なくても、キリスト者が集まるところに主は臨在され、豊かな恵みを注がれます(マタイ18:19~20)。
Ⅱ.「教会、それは礼拝共同体」
「交わり」(コイノーニア)は教会の本質です。ただし、教会は大学などのサークルや読書会とは違います。ただ人が集まって聖書を学べば良いというものではありません。教会をまことに教会としているものは、キリスト者の集まりの中心に臨在される「聖霊」です。
イエスの弟子たちは10日間ひたすら神に祈り、約束の「聖霊」を待ち望みました。その結果、(1)「五旬節の日」に(2~4)「突然、天から、激しい風が吹いて来るような響きが起こり、彼らのいた家全体に響き渡った。また、炎のような分かれた舌が現れて、ひとりひとりの上にとどまった。すると、みなが聖霊に満たされ、御霊が話させてくださるとおりに、他国のことばで話しだした」のです。ヨエル2:28の預言の成就でした。
ここでは「聖霊」の働きが三つのものに象徴されています。(2)「風」は人を生かす神の息吹です(創世記2:7、エゼキエル37:9、ヨハネ3:7)。(3)「炎」は聖なる神の臨在を表します(出エジプト3:2、13:21、19:18)。聖霊の火によって人はきよめられます(ルカ3:16~17)。(3)「舌」は全世界の人々に向かって発せられる神のことばを表します。「舌」(グロッサ)は、ことばとも訳されることばです。マルコ16:17の「新しいことば」の「ことば」は「舌」と同じ用語です。すなわち、聖霊が臨むことにより弟子たちが、今まで語れなかったイエスの福音を、新しく語り出したのです。
「聖霊の交わり」(Ⅱコリント13:13)が無ければ、どんなに多くの人が集まっても、それは教会ではありません。(Ⅰヨハネ1:3)「私たちの交わりとは、御父および御子イエス・キリストとの交わりです」。三位一体の神との霊的な交わり、そうです。すなわち礼拝こそ教会の中心的な営みなのです。
Ⅲ.「教会、それは宣教共同体」
この時、ヘブライスト(ヘブル語とアラム語を主として用いるパレスチナ地方出身のユダヤ人)であるガリラヤ人たちが、色々な外国語で(11)「神の大きなみわざ」を語り出しました。世界の各地から祭りに集まっていた離散のユダヤ人たち(ディアスポラ)はこれを聞いて非常に驚きました。これは聖霊による宣教の働きが、民族・国家・言語・文化などあらゆる障壁を越えて、全世界に広がっていくことのしるしです。「聖霊があなたがたの上に臨まれるとき」、私たちは「力を受け」、「地の果てにまで」、キリストの「証人」となるのです(使徒の働き1:8)。ですから、教会の中心的な使命は宣教です。
まとめ)「ペンテコステと教会」
「聖霊」は今も私たちの内に働いて、教会を導いておられます。教会は地上にありながら、(2)「天から」臨まれた「聖霊」の宿る神の国です。教会は地上において天国を代表する公的機関なのです。神に召された私たちは共に神を礼拝し、聖霊に満たされて、広く人々に福音を伝えましょう。
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