福音伝道教団

葛西福音キリスト教会

礼拝聖書のお話し

2024年8月11日(日)礼拝メッセージ

「人の使命」

葛西説教20240811

1.テキスト「創世記2章1525節」

2.タイトル「人の使命」

3.中心聖句「創世記128節」

「生めよ。ふえよ。地を満たせ。地を従えよ。」

4.本文「人の使命」

 序)「文化命令と大宣教命令」

 創世記1章から2章には、人間に対して与えられた様々な神の命令が記されています。特に、128節で人間に与えられた命令は、マタイ2820節の大宣教命令と比較して、しばしば文化命令と呼ばれています。

 (創世記128)「神は彼らを祝福された。神は彼らに仰せられた。「生めよ。ふえよ。地を満たせ。地を従えよ。海の魚、空の鳥、地をはうすべての生き物を支配せよ」。これは文化命令と呼ばれています。

 (マタイ書2820節)「また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい。見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます」。これは大宣教命令です。

 文化命令では、家庭や労働、世界の環境管理に至る人間の活動全般に関わるものすべてが含まれます。

 これらは、人間の堕落前に、神から与えられた人類の目的です。しかし、堕落によって、神のかたちを致命的に損なってしまった人間は、この神からの使命を遂行することに失敗してきました。それが人類の歴史でした。道徳の崩壊、家庭の崩壊、労働の非人間化、環境破壊、戦争で流され続ける罪なき人の血など。

 この世界を正せるのは、人間に神のかたちを回復させることができるイエスの十字架と復活への信仰だけです。本日は、「神に似る者」とされる三つのポイントについて聖書から教えていただきましょう。そしてイエスを信じて生きてください。

 

本論)「人の使命」

.「繁栄と自治の使命」

 まず、創世記1章28節、本日の中心聖句を見てください。神は、人間が全世界に増え広がり、繁栄するように命じられました。しかし同時に、神が造られたすべての鳥や地上の生き物を治めるようにとも命じられました。(創世記128)「支配せよ」とは、被造物の一つ一つが本来の目的を果たし得るようにすることであり、人間の繁栄のために被造物を自己中心的に用いることではありません。

 興味深いことに、29節と30節には、「すべての草」と「実を結ぶすべての木」が人間の食物として、「すべての緑の草」が動物の食物として与えられたことが記されています。文字通り解釈するなら、当時は肉食ではなかったのでしょう。創世記93節で初めて、人間に肉食が許されています。

 現在、人間は全世界に広がり、繁栄しています。しかし食物の増産のために農薬を用いすぎたことにより、絶滅する被造物があることも事実ですね(一例として、トキなどの鳥類です)。また、車や工場や発電所の排気ガスで地球が暖かくなり、異常気象が起きたり、酸性雨が降ってきたり、森林が枯れて砂漠化が進んだり、フロンガスの影響で地球を有害な宇宙線から守っているオゾン層が破壊されていることなども、問題になっています。

 人間が繁栄することは神のみこころですが、地を支配する責任もあるのです。人間が自分のことだけではなく、地球の被造物のことも考えてはじめて、神に似る者となっていくのです。

 

.「自由と秩序の使命」

 創世記216節から17節には、第二の使命が記されています。神は、「園のどの木からでも思いのまま食べてよい」という大きな自由を与えてくださったが、それとともに、「善悪の知識の木からは取って食べてはならない」という秩序は守るようにと命じられました。「神に似る」とは、自由でありながらも秩序を乱さないことです。

 現代は、自由だけが一人歩きしているように思えます。自分の自由だけが主張され、秩序に従うことが嫌がられています。しかしそれは神のみこころではありません。家庭でも、学校でも、社会でも、ただ自由を主張するだけなら、秩序が破壊されてしまう例は、この世界にいくらでもありますね。

 

.「自立と協調の使命」

 最後の使命は、創世記224節に記されています。神が人間を男と女とに創造されたのは、違った考えを持つ人たちが協調して生きていくためでした。また親に依存するのではなく、自立して生きていくことを示すためでもあります。ある年齢になったなら、育ててくれた親に感謝しながらも、親から独立して、自分で判断して行動しなくてはなりません。

 女性は、動物では決してできない真の助け手として造られました。男女は、創造の秩序に違いはあっても(Ⅰコリント書118節)、対等な存在です。三位一体の神が愛の交わりの中にあるように、男女も愛し合う存在として創造されました。そしてこの関係は、キリストと教会の関係を象徴しています(エペソ書5章)。造ったものが、相手を愛することを約束して一つとなるのです。これは、契約による新しい関係と言えるのです。

 「父と母を離れて、妻と結び合う」とは、血縁関係から契約関係に移ることを意味しています。いつまでも親に依存するのではなく、親に感謝しつつも、自分の意志で行動する自立した人間になるべきことが教えられています。

 

まとめ)「人の使命」

 以上の三つの使命、「繁栄と自治の使命」、「自由と秩序の使命」、「自立と協調の使命」は、簡単に実現するものではありません。食物を食べて人間のからだが成長していくように、聖書のみことばに従ってこれらの使命を実現していくうちに、私たちの人格も「神に似る者」として成長していくのです。なぜなら、イエスを信じる私たちには、すでにイエスが私たちのうちに生きていてくださるのですから、必ず、神に似る者とさせていただけるのです。

 ですから、まだ、イエスを信じておられない方は、まずイエスを信じていただいて、そのスタートを切っていただきたいと願います。

東京都江戸川区東葛西6丁目37-3 福音伝道教団 葛西福音キリスト教会 かさいふくいんきりすときょうかい 
神からの語りかけに耳を傾ける男